第二話 図書塔の禁書 - 竜歌の学院 | Bunshare← 竜歌の学院第二話 図書塔の禁書
1週間前更新
図書塔の最上階には、誰も立ち入ってはいけない書架があるという。
ユーリがそこに足を踏み入れたのは、夜の見回りに紛れてのことだった。目当ての本はすぐに見つかった。表紙に刻まれた竜語の題名を、ユーリは声に出さずに読めてしまう自分に驚いた。
「――なんで、これが読めるんだ」
古い竜歌の楽譜だった。今の教本には載っていない、禁呪に分類される旋律。読めるはずのないものが読める理由に、ユーリはまだ気づいていなかった。
背後で扉が軋んだ。振り返ると、レナが灯りを片手に立っていた。
「やっぱり、ここにいた。ユーリ、あなた何か隠してるでしょう」
誤魔化す言葉は、出てこなかった。コメント (0)
コメントするにはログインしてください。